【ポルシェ】911(993) 避けられないシートの劣化。別注色で美しく蘇る最後の空冷ポルシェ
シートの高齢化
ある晴れた日、NEWINGに飛び込みのご来店が。
外に出てみると、1台のポルシェが止まっていました。
綺麗な外装の911でしたが、運転席の座面がボロボロに・・・・
「何とかなりませんか?」とのご依頼。
乗降時に擦れてしまう部分は、特に劣化が酷くなります。
何度かリペアをされた形跡がございますが、ここまでの劣化は張替えでないと難しいでしょう。
素材は問わない、との事で、弊社にある合皮や本革のサンプルを片っ端から当てて色合わせを試みます。
・・・・・どの色も微妙に違う(´;ω;`)
傷んでいるのは運転席の一部だけ
背面周りだけ張り替えてしまえば、綺麗にはなりますが、サンプル帳のカラーでは微妙に色が違いますので張り替えた部分だけ浮いてしまいます。
色を合わせようとシート1脚張り替えれば、次は助手席との色の差が気になり・・・運転席助手席を張り替えたら、さらに後部座席とも色の差が出てしまいます。
純正の雰囲気を大切に残したい
お客様のご要望とサンプル帳との色の差をふまえて、別注色で運転席背面の一部を張り替える方法をご提案させていただきました。
シートの内側部分の革を少しカットさせていただき、近い色で特別に染め上げます。
(長年陽射しに晒され続けた事で、上部は特にお色が薄くなっておりました。内側の日の当たらない部分の色に合わせて新しく染め上げると、色褪せも元通りになり、座面との色の差も気になりません。)
特別に染め上げた、別注色
ポルシェ純正シートに近い色味と質感の、本革レザーがご用意できました。
(別注色は、お客様だけの革を製作するため、小ロットで職人が色の調整をしながら染め上げます。そのため生産に1か月半~2か月かかります)
作業スタート
革の染め上がり時期に合わせて、お車をお預かりします。
シート背面を取り外します。
取り外したシートは、まずは背面の中心と外周に分けます。
型取り前の印付けです。
分解したパーツにアイロンをあてます。
型取り
一つづつ、パーツを型取りします。
型取り、ウレタン付けが終わり、シートの形が見えてきました。
縫製
パーツを縫い合わせます。
出来上がった表皮を被せて、元に戻していきます。
完成です
新品のような綺麗な状態に戻りました。
before
after
色の差も目立ちません。
運転席助手席の色の差も目立ちません!
後ろ側も綺麗に!
別注色の張替え
お値段は定番の本革に比べると高くなりますが、なるべく純正の雰囲気や色味を残したい方、他のパーツの色に合せたい方におすすめです。
このシートには、もうひとつ「NEWINGオリジナルエアークッション」のオーダーをいただきました。
こちらの作業も合わせてご紹介します。NEWINGオリジナルエアークッション
見た目のデザインはそのままに、座り心地を改善できます。
表皮を元に戻していきます。
エアークッションは表皮を剥がして内側に施工しますので、革の張替え料金はかかりません。
被せ終わった後です。
ふっくらしていますね!
運転席と助手席の膨らみ具合の違いがわかりますでしょうか。
座面のエアークッションは、ポルシェ911のような高齢化したお車の座面のへたりを改善し、高反発ウレタンによる快適な乗り心地もプラスされます。
NEWINGの内装部門では、カスタムとリペアの大きく2種類の目的に合わせて、お客様に最適なご提案をさせていただいております。
例えば、お車の天井張り替え。
天井の垂れが気になる方にはリペアとして価格を抑えたり、同じような生地をご提案します。
一方、雰囲気を変えたい、人と違う内装にしたい方には、素材をウルトラスエードにしたり、シートに合わせたカラーチェンジなどをご提案しております。
シートも同様に、今の雰囲気を残したまま綺麗にしたい、全く違う仕様にしたい、などお客様のニーズに合わせてご対応させていただきます。
お車のシートの劣化にお悩みの方は、是非NEWINGにご相談ください!!